まず
境目を引く
単身赴任で損をするのは、会社が出す費用と自分が出す費用の境目を確認しないまま動き始めた場合です。ここを先に引きます。
辞令が出てから赴任日までは、多くの場合1か月程度しかありません。やることの順番を間違えると、後戻りできない出費が発生します。
まず規程を読む
単身赴任にかかる費用のうち、どこまでを会社が負担するかは会社の規程で決まっています。法律で一律に決まっているものではありません。
確認する項目
①住居費。社宅か、家賃補助か、自分で借りるか。補助の上限額と、対象になる費用の範囲(管理費・駐車場は含むか)。
②赴任時の一時金。支度金・赴任手当の有無と金額。
③引越し費用。全額か、上限があるか。見積もりの取り方に指定があるか。
④帰省費用。月に何回分か、経路と交通手段の指定。ここは金額が積み上がります。
⑤単身赴任手当。月額と支給期間。
⑥赴任期間の目安。期間によって、借りる部屋も家具の揃え方も変わります。
③と④は特に確認してください。「立て替えて後で精算」なのか「会社が直接手配」なのかで、動き方がまったく変わります。自分で手配してしまってから精算対象外と分かるのが、最も多い失敗です。
1か月の進め方
1週目:規程の確認、赴任地のエリア調査、部屋探しの条件整理、引越し業者の見積もり依頼(繁忙期は早いほどよい)
2週目:物件の内見・申込、ネット回線の申し込み(工事が必要な場合は最優先)、家具・家電の要否を決める
3週目:引越しの日程確定、家具・家電の手配、ガス・電気・水道の開栓予約、住民票をどうするか決める
4週目:荷造り、各種住所変更、旧居側の整理、赴任先の生活導線の確認(スーパー、病院、コインランドリー)
2週目の回線が最重要です。工事が必要な物件だと、申し込みから開通まで時間がかかり、赴任初日から在宅で仕事ができないということが起こります。
二重生活の固定費
単身赴任は生活費が2倍になるのではなく、固定費が2重になるのが実態です。項目を出しておきます。
赴任先で新たに発生するもの
・家賃・共益費(補助の対象外部分)
・電気・ガス・水道の基本料金(使わなくても発生)
・通信費(回線・スマホ)
・食費(外食比率が上がりやすい)
・日用品の再調達
自宅側で減らないもの
・家賃・ローン
・光熱費(人が減っても基本料金は同じ)
・保険、教育費
削れるのは赴任先の光熱費・通信費・食費です。特にガスは、地域や物件によって単価が大きく違うため、プロパンガスの物件を選ぶ場合は事前に確認する価値があります。
赴任先のガス料金を無料で比較する
プロパンガスは物件により単価が異なります。比較は無料です。
- 申し込み条件は各社公式サイトでご確認ください
- 掲載内容は各社公式サイトの公表値です
- 料金は時期・地域により異なります
部屋の決め方
単身赴任の部屋は、住み心地より「戻れること」と「固定費」で決めるほうが後悔しません。
優先して確認する項目:
・会社からの補助上限に収まるか(管理費・駐車場を含めて)
・ネット回線が使えるか。「インターネット完備」の中身を確認(無料Wi-Fiは速度が出ないことがあります)
・ガスの種類(都市ガスかプロパンか)
・家具・家電付きか(付いていれば初期費用が大きく下がります)
・解約時の条件(赴任期間が変わる可能性を考える)
・職場からの距離(通勤時間は毎日効きます)
4つ目は判断が分かれます。家具付きは初期費用が下がる代わりに家賃が上がる傾向があるため、赴任期間が長いなら自分で揃えるほうが安くなることがあります。おおよそ2年が分かれ目です。
残る家族側の準備
単身赴任は行く側だけの話ではありません。残る側で決めておくことがあります。
・緊急時の連絡と対応(誰が対応するか、近隣に頼れる人がいるか)
・力仕事・修繕の代替手段(これまで自分がやっていたこと)
・家計の管理方法(口座を分けるか、共有するか)
・連絡の頻度と方法(決めておかないと、どちらかが不満を溜めます)
・子どもの行事のうち、帰る日を先に押さえる
親が高齢で近くにいる場合は、見守りの手段を先に用意しておくと、赴任後の心理的な負担が下がります。→ 離れて暮らす親の見守り